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「傘と胡椒」付属ブログ
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友人に志向する文学の方向性を訊かれたので「純文学です」と答えた。すると彼は突然笑い出した。詳しく話を聞くとどうやら「純文学」の「純」を「純わふうドレッシング」とかの「純」だと思っていたらしい。うちのドレッシングはただのわふうじゃなくて純わふうですよ純粋なんですよ他とは違うんですよというアレだ。それなら笑うのも当然だなあと思って別れた。
しかし家に帰ってよくよく考えてみると、僕の志向する文学は純わふうなどではないわけであって、笑われるいわれなどまったくない。いや仮に純わふうだったとしてもそれは同じだ。ふつふつと怒りがわいてきたが、今その怒りをぶつける対象もない。腹に据えかねて、コーヒーをドリップで淹れるときにわざと濾紙から湯を溢れさせてやった。豆の茶色いつぶつぶがカップの中に広がって、焦げ茶の液が縁からこぼれてテーブルの上に落ちる。木目に入り込んで、ひっかき傷みたいに筋状に列を組んで広がっていく。家で飼っている犬が来て、テーブルの縁から今まさにしたたり落ちようとしている雫を豆ごと口に入れる。苦いかと訊くと「純わふうだね」と返された。生意気言うんじゃないよと叱って、コーヒーを飲んで寝た。つぶつぶがいつまでも喉に引っかかって気持ち悪かった。そんな夢を見た。 
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